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中小企業診断士 2次試験勉強の進め方(事例Ⅰ~Ⅲ)

こんにちは、企業内診断士のヨシローです。

中小企業診断士の2次試験は、一次試験とは異なり、実務に基づいた事例を解く力が求められます。初めて挑戦する方にとって、どのように学習を進めれば良いか悩むかもしれません。

本記事では、事例Ⅰ~Ⅲに焦点を当て、具体的な勉強方法を紹介します。まずは試験の全体像を理解し、過去問を活用した実践的な学習方法を解説します。

目次

2次試験を理解する

中小企業診断士の2次試験は1次試験と大きく異なります。まずはその性質を理解しましょう。

試験日程

1次試験と2次試験では、科目数や試験時間が異なります。

1次試験

1次試験は2日間渡る試験で7科目あります。試験時間は60分または90分です。以下は令和6年(2024年)の試験日程になります。

月日時間科目
8月3日(土)9:50 ~ 10:50 / 60分経済学・経済政策
11:30 ~ 12:30 / 60分財務・会計
13:30 ~ 15:00 / 90分企業経営理論
15:40 ~ 17:10 / 90分運営管理
8月4日(日)9:50 ~ 10:50 / 60分経営法務
11:30 ~ 12:30 / 60分経営情報システム
13:30 ~ 15:00 / 90分中小企業経営・中小企業政策

2次試験

2次試験は4つの事例で構成され、1日で終了します。各事例80分の試験時間です。以下は、令和5年(2023年)の試験日程になります。

月日時間科目
10月29日(日) 9:40 ~ 11:00 / 80分事例Ⅰ
11:40 ~ 13:00 / 80分事例Ⅱ
14:00 ~ 15:20 / 80分事例Ⅲ
16:00 ~ 17:20 / 80分事例Ⅳ

2次試験では科目数が減るため、量が少ないように感じますが、実際には2次試験の方がかなりハードな試験です。私の場合、1次試験は時間が10分程度各科目で余っていましたが、2次試験ではむしろ時間が足りないぐらいでした。2次試験で時間に余裕があるという方はあまり見かけないですね。

合格人数

1次試験と2次試験で合格水準も変わるといわれています。

1次試験の合格者

1次試験は、全ての科目が40点以上かつ全科目平均60点以上が合格ラインになります。公式の正答も開示されており、絶対評価になります。

実際に合格者数を確認すると、問題の難易度などによって合格者人数が変化しています。

1次試験では単純に自分自身が問題を解けるどうかだけです。得意な科目で高得点を取り、苦手な科目は足切り回避を狙うといった戦略など、様々な方法で取り組むことが可能です。

2次試験の合格

2次試験でも、全ての科目が40点以上かつ全科目平均60点以上が合格ラインになります。ただし、公式の正答は開示されておらず、この合格ラインがどこまで信憑性があるかわからないです。実際には、相対評価といわれています。

合格者の割合を確認すると、例年きれいに20%前後になります。

相対評価になるため、各事例満遍なく勉強をして全事例でしっかりと基本的な問題は取れるようにしましょう。その上で、合否を分ける問題もきちんと取っていくことが必要になります。

問題の違い

1次試験と2次試験では、問題にも大きな違いがあります。

1次試験2次試験
解答形式マーク式記述式
時間の余裕時間内に終わる時間が足りず、時間管理が重要
公式の答え公開非公開
内容基本的な知識の確認する基礎問題基礎知識を活用した応用問題

1次試験ではマーク式であったため、知識があやふやな問題でも消去法で解答を導くことができました。2次試験では記述式かつ1次試験の知識を踏まえた応用問題になります。知識をしっかり整理した上で、すぐに思い出せるようにする必要があります。

また、2次試験は1次試験に比べ時間の余裕がないので、時間管理を徹底し効率的に問題を解かなければなりません。

2次試験の勉強にあたっては公式の解答がないので、適切な教材を選択の上、正しい勉強方法で取り組む必要はあります。

解き方のイメージを掴む

2次試験では80分と時間の短い中、問題文の情報や1次試験の知識を使って、どのように100字程度の一定文字数の解答に落とし込むかが難しいポイントです。

2次試験をいきなり解いて合格点を取るような解答を作成することは相当ハードルが高いです。私が最初に取り組んでも、どこをどうやってを解き進めればいいかわからずに、気づいたら時間が経っていました。

まずは本やYouTubeで合格者がどのように2次試験を解いているか調査しましょう。各合格者ごとに、時間の使い方や解き方などが変わりますので、色々試したうえで、自分に合ったものを選択するといいです。

なお、予備校に通っている方々は、予備校独自のノウハウがありますので、まずはそれに倣ってください。上手くいかない部分は合格者のやり方を取り入れていきましょう。

参考までに、私の問題の解き方を簡単に紹介します。

STEP
設問文を読む

まずは設問文を読んで、どのような内容が問われているか確認します。その際に関連知識として、問われそうな解答の切り口があれば、メモをしておきます。

また、解答の型も一緒にメモします。例えば、「~についてどのような目的があったか?」と問われた場合は、「目的は、①・・、②・・、③・・である。」というような形でメモ用紙に記載しておきます。

STEP
与件文を読む

設問文の内容を気にかけながら、問題文を読んでいきます。読みながら、強みや機会は赤、弱みや脅威は青、社長や会社の方針は緑でマークしておきます。なお、私の場合は問題文を通して読むのは一回だけです。

STEP
解答メモを作成する

まずは設問文と与件文の紐づけを行います。設問文を問1から一つずつ読み返しつつ、問題文の使いそうな内容をカラーペンでチェックしていきます。問ごとに一つずつカラーペンの色を変えて、全ての問についてチェックを行います。

チェックが完了したら、次は解答メモを作成します。STEP1で書いた解答の型に、チェックした内容を当てはめる形で解答の大枠を書いていきます。この際、問題文の該当箇所に①などの番号を書き、解答の型にも同じ番号を振っておきます。

STEP
解答を作成する

解答メモをもとに、実際に解答欄へ記入していきます。文字数が解答欄の9割以上となるように調整するの最も時間のかかるポイントです。情報の追加・削除や語尾・言い回しの変更を行い、解答欄に収まるように文字数を調整します。

過去問を一度解いてみる

上記のように、一度概要を本などで学んでも実際に解いてみないとイメージがつきません。

まずは古い過去問を使って解いてみましょう。注意すべきことしては、以下のポイントです。

  • 平成26-28年あたりの過去問を1年分・1事例解く
  • 本番と同じように真剣に解く
  • 一度本で学んだ方法で解いてみる

簡単にその理由を書いていきます。

平成26-28年の過去問を1年分・1事例解く

必ず少し古めの平成26-28年の過去問を使って、一度演習をしましょう。

なぜ過去問の時期を指定したかというと、

  • 古すぎる過去問:現在と傾向が違いすぎるため、練習になりにくい
  • 最近の過去問:ある程度、型が出来て解いた方が効果的

といった理由から、8-10年前の過去問で一度お試しで解くことをおすすめします。また、事例Ⅰ~Ⅲは問われる内容は違えど、解き方に大きな差はありません。そのため、1年分・1事例(例えば、平成28年の事例Ⅰ)だけひとまず解けばOKです。

本番と同じように解く

はじめて試験に取り組む際は、何もわからないから時間も図らず、ダラダラと適当に解いてもいいかな・・・と思う方もいらっしゃるかと思います。

1次試験を通過した方々は十分に知識をお持ちのため、時間をかければ2次試験もしっかりと解答を作成できます。では、何が合否を分けるかというと、時間内に適切な解答を導けるかどうかです。すなわち、「問題文を的確に読み取り、必要な知識を頭から取り出し、文章に落とし込む」までを短い時間でできる必要があります。

この意識を持って最初から、本番と同じように解きましょう。そうすることで、現状と合格までのギャップが明確になります。

本・Youtubeで学んだ方法で解いてみる

「解答のイメージを掴む」において、本やYoutubeでざっくりとイメージを掴めていると思いますので、思い出しながら取り組んでみましょう。

なんとなく自己流で解いていると、いつまでも2次試験の取り組み方が掴めません。まずは合格者のやり方を試して、解き進めるイメージを掴みましょう。また、合格者のやり方を真似する中で、2次試験の大変さや難しさを理解できると思います。

「ふぞろいシリーズ」で答え合わせをする

実際に問題を解いたら、答え合わせを行います。しかし、中小企業診断協会の公式解答はありませんので、「ふぞろい」シリーズを使って答え合わせを行います。

「ふぞろい」シリーズは2次試験受験者の再現答案をもとに、作成された予想解答です。
公式解答がない中で、唯一採点をできる教材になりますので、絶対に購入してください。
こちらのページで紹介しているおすすめ教材にも載せてあります。

ふぞろいでは、キーワードが入っていると点数が入る方法で正解を考えています。しかし、実際にはキーワードが入っているかどうかだけでなく文章も見られていると考えられます。

採点にあたってはキーワードの有無だけでなく、キーワードが適切な文脈で使用されているかまでしっかりと確認しましょう。

ヨシロー

丁寧な復習が合格への近道です!

解き方を試しながら過去問を数年分解く

一度過去問演習とふぞろいシリーズでの復習が終わりましたら、概ね試験の全体像は見えてきたと思います。まずは2次試験の解き方を身につけましょう。

私の場合は、「まとめシート」で有名な野網先生の方法をベースに、Youtubeやブログなどで情報収集した色々な方法を取り入れました。とにかく自分にあう方法を確立するために、知識不足の整理が不十分な状態でしたが、2-3年分の過去問を使って、色々な解き方を試していきました。

例えば、野網先生の方法では問題文を二回読みますが、私は読むスピードが遅かったため問題文は一回だけ読むようにしました。その代わり、色ペンでのマーク方法を変更し、一回でしっかりと情報を取得できるように工夫しました。

なお、ここの解き方の練習では、7ー10年前の過去問を使うのがいいと思います。理由は後述の通り、直近5ー7年分はある程度型ができてから、しっかりと取り組んだ方がいいと考えているためです。

ヨシロー

最初に解いたときは、絶対に80分じゃ解けない。。。と思っていました。
何度も練習することで、次第にスムーズに解けるようになります!

ある程度解き方を固めた上で、過去問を解いてふぞろいで復習する

ある程度解き方を掴むことができたら、過去問を解いてアウトプットをしながら、知識の補填と解き方の改善を進めましょう。

過去問を解く目安は、少なくとも直近5年分は解いた方がいいです。過去問が3年分以下だと、たまたま知識があるとことが問われて解けた場合や、数年連続で似たような切り口が問われ解けた場合があります。個人的には、直近7年分を解けると理想的だと思います。一方で、これ以上を解こうと思うと、復習がおろそかになる、もしくは復習が十分にできていないので、正直あまりやる必要はないと思います。

何回も解いていく中で、しっかりと解き型を身につけ、スムーズに解答を作成できるように取り組みましょう。

まとめ

今回は2次試験勉強の進め方(事例Ⅰ~Ⅲ)について紹介しました。

1次試験から2次試験までは時間がありませんので、効率的に勉強を進めていかなければなりません。ぜひ、今回の内容をもとにすぐに2次試験対策に取り組みましょう!

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この記事を書いた人

R5年中小企業診断士試験ストレート合格者|2024年度中に中小企業診断士登録予定|当面は企業内診断士として活動|タキプロ15期として活動中|中小企業診断士試験受験生の支援のためブログを開設|診断士試験合格後のイメージを伝えるため診断士活動もブログ内で発信しています

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